作品名:
黒板
黒板
黒板
91.4cm × 91.4cm
スプレーペイント、アクリル、ペイントペン/キャンバス
人生は、一度で書き上がるものではない。書いては消し、ときには全部消し、ときには一部だけを消し、そしてまた書き直していく。
それが黒板だ。人に見られ、判断される場所に、自分の考えや答えを書き出す。うまくいくこともある。うまくいかないこともある。自分自身でも納得できないこともある。だから消す。全部消すこともあれば、もう一度やり直せるだけの余白をつくるために、一部だけを消すこともある。そこには、前に書かれていたものの跡がうっすらと残る。うまくいっていたものまで消してしまうこともある。あと少しで形になりそうなのに、まだ違うと感じることもある。それでも、また続ける。
時間が経つにつれて、その表面にはすべてが残っていく。試みたこと、直したこと、間違えたこと、そして最後にようやく残ったもの。
この作品も、同じような過程から生まれている。線は、目に見える形になった思考のようなものだ。引かれ、調整され、強められ、あるいは捨てられる。残る線もあれば、薄れていく線もある。最初から完璧に現れるものはない。質感、擦れ、構造。そのすべてが、繰り返しと試行錯誤、そしてもう一度始める意思によって形づくられている。
「黒板」は、その繰り返しについての作品だ。倒れても立ち上がり、学んだことを持って前に進むこと。たとえ乱れていても、思ったより何度もやり直すことになっても。
最後に見えるものは、きれいに整ったものではない。人生が、きれいに整ったものではないからだ。
残るものは完璧ではない。けれど、それは自分でつかみ取ったものだ。時間をかけ、向き合い続けたからこそ、ようやく形になったもの。
そして、それでもなお、終わりではない。学ぶことは、いつまでも残っている。
※額装は含まれておりません。
